「もし〇〇なら△△する」で行動習慣化!大学生のための『IF-THENプランニング』活用術
「わかっているけど行動できない」を解決する!IF-THENプランニングの力
「やらなきゃいけないことは分かっているのに、つい後回しにしてしまう」 「勉強しようと思ったけれど、スマホの通知が気になって集中できない」 大学生の皆さんの多くが、このような課題に直面しているのではないでしょうか。頭では理解していても、いざ行動に移すとなると、なかなか難しいものです。
今回は、そんな「わかっているけど行動できない」という悩みを解決し、小さな習慣を身につけるための強力な心理学的なテクニック、「IF-THENプランニング」をご紹介します。この方法を使えば、誘惑に打ち勝ち、目標に向けて着実に一歩を踏み出すことができるでしょう。
IF-THENプランニングとは?行動を自動化する計画術
IF-THENプランニングは、「もし〇〇(特定の状況)が起きたら、必ず△△(具体的な行動)をする」という形で、事前に自分の行動を計画するシンプルな方法です。これは「実行意図」とも呼ばれる心理学的な手法で、脳に「次に何をすべきか」を明確に指示することで、行動への迷いをなくし、スムーズに実行できるようにサポートします。
例えば、「もし午前中に時間があったら、参考書を30分だけ読む」というような、漠然とした目標を立てるだけでは、他の誘惑に負けてしまうことがよくあります。しかし、IF-THENプランニングでは、もっと具体的に「もし午後2時になったら、図書館へ行き、参考書を5ページだけ読む」といった形で計画を立てるのです。
なぜIF-THENプランニングが効果的なのか
このシンプルな計画術がなぜ習慣化に役立つのでしょうか。主な理由は以下の3つです。
1. 行動の「トリガー」が明確になる
トリガーとは、行動の引き金となるきっかけのことです。IF-THENプランニングでは、「もし〇〇(状況)が起きたら」という形で、行動を開始する具体的なきっかけを事前に設定します。これにより、「いつ、どこで、何をしたら良いか」が明確になり、迷うことなく行動に移せるようになります。
2. 誘惑や邪魔が入りにくくなる
具体的な状況と行動を結びつけることで、無意識のうちにその行動を実行する準備が整います。「〇〇が起きたら、必ず△△する」という決意は、他の誘惑や妨害が入ったとしても、計画通りの行動を優先させる力を高めます。
3. 決断疲れを防ぎ、脳のリソースを節約する
私たちは1日のうちに多くの決断をしています。そのたびに脳はエネルギーを消費し、「決断疲れ」を起こします。IF-THENプランニングで事前に行動を決めておけば、その状況が訪れたときに「どうしようか」と考える必要がなくなり、脳のエネルギーを節約し、行動を自動化できるようになるのです。
今日からできる!IF-THENプランニングの実践ステップ
IF-THENプランニングは、以下の簡単なステップで誰でもすぐに始めることができます。
ステップ1:習慣化したい行動を具体的に決める
まずは、習慣にしたい行動を小さく、具体的に設定します。 * 「毎日少しだけ勉強する」ではなく、「TOEICの単語を5つ覚える」。 * 「運動する」ではなく、「スクワットを5回する」。 * 「健康的な食事をする」ではなく、「朝食にリンゴを1切れ食べる」。
行動を小さくすることで、「これならできる!」という気持ちになり、挫折しにくくなります。
ステップ2:「もし〇〇(状況)なら、△△(行動)する」という形で計画を立てる
次に、ステップ1で決めた行動を実行するための「状況」と「行動」を設定します。状況は、時間、場所、イベント、感情など、具体的なトリガーとなるものです。
- 時間トリガーの例:
- 「もし午前8時になったら、昨日使った教科書をカバンに入れる。」
- 「もし夜10時になったら、スマホを充電器に繋いで別室に置く。」
- 場所トリガーの例:
- 「もし大学の図書館に着いたら、まず参考書を広げて5分だけ目次を確認する。」
- 「もし自宅の玄関に着いたら、まずポストを確認し、DMはすぐに捨てる。」
- イベントトリガーの例:
- 「もし授業が終わったら、次の授業の準備を5分だけする。」
- 「もし食事を食べ終わったら、すぐに食器をシンクに入れる。」
- 感情トリガーの例(誘惑への対処):
- 「もしスマホでSNSを見たい衝動に駆られたら、代わりに単語帳を2ページだけ開く。」
- 「もし気分が落ち込んでいると感じたら、5分だけ深呼吸をする。」
ステップ3:計画を可視化し、すぐに試してみる
立てた計画は、手帳に書き込んだり、スマートフォンのリマインダーに設定したりして、常に意識できるようにしましょう。そして、まずは1つか2つの計画から、すぐに試してみてください。小さな成功体験を積み重ねることが、自信につながります。
大学生のためのIF-THENプランニング活用事例
IF-THENプランニングは、学習習慣から健康習慣、日常生活の改善まで、幅広い場面で活用できます。
学習習慣の例
- 「もしPCを開いて勉強を始めようとしたら、まずタイマーを25分にセットする。」
- 「もしオンライン授業中に集中が途切れたと感じたら、一度PCから目を離し、遠くの景色を30秒間見る。」
- 「もし課題の提出期限を思い出したら、まず5分だけ課題の概要を読み、最初のステップを決める。」
- 「もし友人に遊びに誘われたら、まず今日のTODOリストを確認し、簡単なタスクを一つだけ終わらせてから返信する。」
健康習慣の例
- 「もし目が覚めたら、すぐにベッドから出てコップ一杯の水を飲む。」
- 「もし授業の合間にキャンパス内を移動するなら、エスカレーターではなく階段を使う。」
- 「もし夜中に小腹が空いたら、お菓子ではなく水を一杯飲む。」
- 「もし寝る前になったら、スマホを寝室から出してリビングに置く。」
つまずきやすいポイントと対策
IF-THENプランニングを実践する上で、もしうまくいかないと感じた場合のヒントです。
1. 計画が守れないとき
- 行動をさらに小さくする: 「5分勉強する」が難しいなら「1分だけ教科書を開く」に、というようにハードルを下げてみてください。
- トリガーや行動を見直す: 設定したトリガーが曖昧だったり、行動が現実的でなかったりしないか確認し、調整しましょう。
2. 誘惑に負けてしまうとき
- 誘惑そのものをトリガーにする: 「もしスマホでSNSを見たい衝動に駆られたら、代わりに英語の単語を一つだけ覚える」といったように、誘惑が起こったときの代替行動を計画に組み込みます。
- 環境を整える: 誘惑が起こりにくい物理的な環境を事前に作っておくことも重要です。
失敗しても自分を責める必要はありません。大切なのは、何がうまくいかなかったのかを考え、改善を試みることです。
まとめ:小さな「もしも」が未来を変える一歩に
IF-THENプランニングは、「わかっているけど行動できない」という課題を克服し、小さな習慣を身につけるための非常に効果的なツールです。具体的なトリガーと行動を事前に結びつけることで、迷いをなくし、行動を自動化することができます。
今日から一つ、「もし〇〇なら△△する」という計画を立ててみませんか。小さな一歩が、着実な自己成長と自信につながることを実感できるでしょう。ぜひこの習慣化の取扱説明書を参考にして、明日からIF-THENプランニングを始めてみてください。