いつもの行動に新習慣をプラス!大学生のための『ハビットスタッキング』活用術
「何か新しいことを始めたいけれど、なかなか行動に移せない」「一度始めても、三日坊主で終わってしまう」と感じている大学生の方は多いのではないでしょうか。スマートフォンや友人との予定、課題に追われる日々の中で、新しい習慣を取り入れるのは難しいと感じるかもしれません。
しかし、習慣化は決して難しいことではありません。今回ご紹介する「ハビットスタッキング」は、すでに身についている「いつもの行動」に、新しく身につけたい習慣を連結させるシンプルな方法です。これまでの日常に少し変化を加えるだけで、無理なく新しい習慣を始めることができます。
ハビットスタッキングとは?:習慣の連鎖で行動を変える
ハビットスタッキング(Habit Stacking)とは、行動経済学や心理学の分野で注目される習慣化のテクニックの一つです。その名の通り、「習慣(Habit)」を「積み重ねる(Stacking)」という意味を持ちます。すでに定着している習慣をきっかけとして、新しい習慣をその直後に「積み重ねる」ことで、意識せずとも新しい行動を自然と生活に取り入れることを目指します。
この方法の大きな利点は、新しい習慣のために特別な時間やエネルギーを確保する必要が少ない点にあります。既存の習慣がトリガー(引き金)となり、自然と次の行動へと移りやすくなるため、モチベーションに頼りすぎずに習慣を形成できることが期待できます。
今日からできる!ハビットスタッキングの具体的な実践ステップ
ハビットスタッキングを始めるのはとても簡単です。以下のステップに沿って、ぜひあなたの生活に取り入れてみてください。
ステップ1:既存の習慣を見つける
まずは、毎日無意識に行っている習慣をリストアップしてみましょう。例えば、以下のような行動が挙げられます。
- 朝起きたらベッドから出る
- 歯を磨く
- コーヒーやお茶を淹れる
- スマートフォンをチェックする
- 昼食を食べる
- 家に帰ってドアを開ける
- 寝る前に電気を消す
これらの行動は、すでにあなたの生活に深く根付いているため、強力なトリガーとして機能します。
ステップ2:身につけたい新しい習慣を明確にする
次に、あなたが身につけたい新しい習慣を具体的に特定します。この際、できるだけ小さく、具体的な行動として設定することが重要です。
- 「毎日勉強する」ではなく「5分だけ英語の単語帳を開く」
- 「運動する」ではなく「腕立て伏せを10回行う」
- 「本を読む」ではなく「1ページだけ読書する」
「2分ルール」のように、短時間で終わる小さな行動から始めることで、心理的なハードルを下げ、行動を継続しやすくなります。
ステップ3:既存の習慣と新しい習慣を組み合わせる
見つけた既存の習慣と、身につけたい新しい習慣を組み合わせます。テンプレートは以下の通りです。
「[既存の習慣]を終えたら、[新しい習慣]を行う」
具体的な例を見てみましょう。
- 「朝起きてベッドから出たら、スクワットを10回行う」
- 「歯磨きを終えたら、今日のTO-DOリストを5分だけ確認する」
- 「昼食を食べ終わったら、スマートフォンを30分間触らない」
- 「家に帰ってドアを開けたら、その日の簡単な振り返りをする」
このように、既に確立された行動の直後に、新しい行動を連鎖させるように設定します。
ステップ4:実行し、記録する
設定したハビットスタッキングを毎日実行し、記録することで、モチベーションを維持しやすくなります。手帳にチェックマークをつける、簡単な習慣トラッカーアプリを活用するなど、自分に合った方法で継続状況を可視化しましょう。
もし忘れてしまっても、自分を責める必要はありません。次の機会に思い出して実行する、という前向きな気持ちで取り組むことが大切です。完璧を目指すのではなく、まずは「続けること」に焦点を当ててください。
大学生におすすめ!ハビットスタッキングの具体例
ここでは、大学生の皆さんが習慣化したいことが多いであろう学習習慣と健康習慣について、ハビットスタッキングの具体例をご紹介します。
学習習慣の例
- 「朝食を食べ終えたら、5分だけ専門分野のニュース記事を読む」
- 「講義の休憩時間になったら、前回のノートを3分だけ見直す」
- 「通学電車に乗ったら、必ず英語のポッドキャストを聴く」
- 「寝る前にスマートフォンを充電器に置いたら、翌日の課題を一つだけ確認する」
健康習慣の例
- 「顔を洗ったら、ストレッチを3分間行う」
- 「寝る前に歯磨きを終えたら、コップ一杯の水を飲む」
- 「大学の最寄駅に着いたら、エスカレーターではなく階段を使う」
- 「オンラインゲームの休憩時間になったら、立ち上がって部屋を一周する」
このように、既存の小さな行動に新しい習慣を紐づけることで、無理なく毎日のルーティンに組み込むことができます。
つまずきやすいポイントと対策
ハビットスタッキングも、すべての人がスムーズに成功するわけではありません。つまずきやすいポイントとその対策を知っておくことで、より習慣化に近づくことができるでしょう。
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新しい習慣が大きすぎる場合:
- 対策: さらに小さな行動に分解してください。「朝活を始める」なら「朝起きてコップ一杯の水を飲む」から始めるなど、抵抗なく始められるレベルまでハードルを下げることが重要です。
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既存の習慣のトリガーが弱い、または不規則な場合:
- 対策: 毎日確実に行っている、より強力な習慣をトリガーに選び直しましょう。また、トリガーとなる行動の後に、特別な準備なしに始められる習慣を設定することが成功の鍵です。
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誘惑に負けてしまう場合:
- 対策: 環境を整えることも有効です。例えば「スマートフォンをチェックしたら、英語の単語アプリを開く」と決めたら、スマートフォンのホーム画面にそのアプリを置き、通知をオフにするなど、物理的に邪魔をする要因を減らす工夫をしてみてください。
まとめ:小さな一歩から未来を変える
ハビットスタッキングは、あなたの日常に無理なく新しい習慣を取り入れ、目標達成へと導く強力なツールです。特別な意志力や時間を必要とせず、すでに身についている行動の力を借りて、一歩ずつ進むことができます。
「いつもの行動に新しい習慣をプラス!」というシンプルな考え方をぜひ今日から試してみてください。小さな成功体験を積み重ねることで、きっと自信がつき、より充実した学生生活を送るきっかけとなるはずです。
さあ、あなたも「ハビットスタッキング」で、理想の自分への第一歩を踏み出してみませんか。